クラスの雰囲気や生徒の人間関係が重い時に使える構成的グループエンカウンター エクササイズ4選中学生編

構成的グループエンカウンター5選 若手教員、教務の方へ

クラスの雰囲気や生徒の人間関係が重くなる原因要素4つ

クラスの雰囲気や生徒の人間関係が重くなる原因要素は4つ。
特に大きく影響するのは 1 と 2 です。

  1. 教師と生徒の信頼関係の希薄さ
  2. 生徒同士の信頼関係の希薄さ
  3. わかる授業づくりの弱さ
  4. クラスの目標とルールの不明瞭さ

改善や克服の考え方

 1 と 2 については、
見出し「人間関係が重い時に使える構成的グループエンカウンター エクササイズ4選中学生編」で詳しく紹介解説します。

 3 と 4 については改善や克服点が、具体的な取り組みとして実施しやすいです。
しかし、1 と 2 (特に2)は心理的な要素があり、具体的な取り組みが難しいです。
なぜなら、その根底にあるのは

今の子どもは、話を聞くという経験の不足
話を聞いてもらった、嬉しい 安心感 という経験の不足

が起因しているからです。

そこで若手の先生にも取り組みやすく効果のあるのが、学級活動の時間での構成的グループエンカウンターの授業です。

自己理解、他者理解、信頼体験、など、人間関係に必要なスキルを育むことをエクササイズ化したのものだからです。
   

人間関係に必要なスキル作り

教師と生徒の信頼関係の希薄さ

問題が起きない学級作りをとばかりに生徒の意見を聞かずに強引に指導をいれる

生徒一人ひとりの話をよく聞いているつもりが、特定の生徒のみの話を聞いていたということ

が起因と考えられます。

この後に紹介する構成的グループエンカウンターのエクササイズを使うと、
一方的な指導に陥ることなく、
生徒一人一人の思いにも耳を傾けやすくなります。

リーダー(教師)の指示した課題をグループで行い、
そのときの気持ちや考えを気軽に話し合うというエンカウンター体験を徐々に深めていくと、
生徒にとりグループの中で思い考えが聞いてもらえる安心感とともに
今後、先生にも思いを気楽に伝えるきっかけ作りの場としても効果的です。

先生と生徒のいい関係

生徒同士の信頼関係の希薄さ

自分の思いが気楽に出せない、自分の一言を相手や周りの人がどう受け取るか不安な心情 

クラス、友人間で何か問題が起きた時、解決ができる見通しが持てない不安な心情

が起因として考えられます。

ホンネを出し合い、時には表現しあう、
それを互いに認め合うのがエンカウンター体験です。
この体験は、
自分や他者への気づきを深めさせ、
また、自分の思いが受け取ってもらえることで
クラスの仲間と共に生活することへの安心感
あわせて、なにか問題が生じた時もこの仲間なら解決できそうという展望をもたらします。

互いを認め合うのがエンカウンター体験

わかる授業づくりの弱さ

生徒の願いは「授業で力をつけたい」です。
学力は生徒の進路、未来に大きく影響しますから。

それに応える授業を教師は生徒の実態に応じて創造します。

具体的な授業づくり、授業研究としては

ユニバーサルデザインの視点に立った授業づくり、
協働的な学びの促進、
「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」の視点からの授業改善

といった具体的な課題が各学校で取り組まれていることと思います。
一層の推進、深化を図っていきましょう。

生徒の望みはわかる授業

クラスの目標とルールの不明瞭さ

生徒の願いは先に書いた授業で力をつけたいです。
あわせて「仲間と楽しく学校での時間を送りたい」という願いもあります。

そのためにはクラスの目指すもの「目標」とそのためのルールが必要です。

クラスの雰囲気が重いと感じるとき
行動面では
休み時間、他の学級や廊下にいる(自分の学級内にいないことが多い)
学級内が極端にグループ化している

ということが見られるでしょう。

注意すべき点はその事象面のみの場当たりの対応策を講じないことです。
大事にすべきは、
何か問題が起きた時、
生徒自身が解決ができる見通しが持てる状態にすることです。

実は目標とルールはできているはずです。
問題はそれが機能していないことです。
機能させるためには
自分の思いが気楽に出せる、自分のひと言を相手や周りの人がきちんと聞いてくれるという思いや安心感が持てるクラスづくりがその第一歩です。

自分の思いが気楽に出せる

人間関係が重い時に使える構成的グループエンカウンター エクササイズ4選中学生編

図書文化
「エンカウンターで学級が変わる」全3集 から エクササイズを4つ取り上げ、
私がエクササイズをした時にアレンジした実践を紹介します。

本の表記に従い、以下のようにあらわします。
第1集→part1 第2集→part2 第3集→part3

  1. エクササイズ①わたしはだあれ? part2
  2. エクササイズ②校庭の生物 part3
  3. エクササイズ③月世界 part1
  4. エクササイズ④宝さがし part3

アイスブレイクとしての宿泊行事・バス内エクササイズ part2

※アイスブレイクとしてのエクササイズ
アイスブレイクとは参加者の緊張をほぐしたり、リラックスしたその場の空気を作るという意味があります。
その後に行うエクササイズの効果を高めるために重要な要素としてのエクササイズを示します。


宿泊行事・バス内エクササイズ part2

【ねらい・目的】

気軽なバスレクの形態をとりながら、
生徒の気持ちを和らげることで、
続いて行うエクササイズでの相互理解の一層の促進を図ります。

4人のグループで
それぞれが起承転結を受け持ち【リレーおとぎ話】を
発表するというレクリエーションです。

この資料では60分となっていますが、
10分程度のアイスブレイクとします。
このアイスブレイクの後に
次に紹介するエクササイズ①または②をするので、
6人のグループなら、じゃんけんで4名を選び、
おとぎ話を作りました。

宿泊行事・バス内エクササイズの目的や内容の参考資料はこちら
目的 
宿泊行事での主な目的を達成する土台作りとしてリラックスできるバスないでゲームを楽しみながら仲間への理解を深める 
準備物 
生徒全員分の物語シート
内容 
リレー おとぎ話 
座席の横一列で4人組を作る
4人に起・承・転・結のお話作り割り振り内容を考える 
班の中で順番に話をつなげてみる 
元の話を壊さないように繋がりを手直しする
マイクで全体に発表する
アレンジの仕方 
休憩所ごとにくじで座席を移動して質問じゃんけんをするなど

エクササイズアイスブレイク【リレーおとぎ話】目的内容

ただし、
このレクリエーションが全くの初めてという場合は、
内容を丁寧に説明し、グループの一人一人が
やることを確認して、
発表を通してクラスとして盛り上がるよう
グループで考える時間も長めに取り、
50分を割り振ることがいいです。

【リレーおとぎ話】の指導例の参考資料はこちら
■指導例 宿泊行事・バス内エクササイズ

教師の指示と生徒の反応 行動 (☆)
リレーおとぎ話

これから少しの間, 先生がグループ・エンカウンター方式でバスレクを進めます。 
今座っている横1列4人が一つのグループです。
この4人でおとぎ話をつくってもらいます。
●おとぎ話は 「むかしむかし、○○が・・・・・・」 で始まり, 「...... めでたしめでたし」で終わるようにつくってください。
物語シート配布。
4人でお話の起承転結を分担します。 左の人から順に 「起」 どこでどんなふうに暮らしていた, 「承」 だれと何かをしようとして,
「転」 思わぬ出来事が生じ, 「結」 ○○になりました, となるように考えて,各自シートに書いてください。 
時間がきたらお互いシートを見せ合い, 前後をうまくつなげてからマイクで発表してもらいます。
では,各自担当の話を考えてください。 主人公は, 「○○王子(担任の名前など)」 です。 
時間は2分, 用意, 始め。
●はい時間です。 シートを見せ合い一つの話につなげてください。
では, 1列目から順に発表してもらいます。 マイクをどうぞ。
留意点
●バス座席の右側と左側を男女で分けて座れば男女混合のグループになる。
●最後は, ハッピーエンドになるよう指示する。
「だれが」 は身近な人間を臨機応変に選ぶ。
うまくつながった面白い話には, 大きな拍手をする。

エクササイズアイスブレイク【リレーおとぎ話】指導例

参考資料の写真について

参考資料として、写真を載せていますが、
解像度の関係で
このまま生徒配布資料にするには不向きです。

学校においてある場合もあります。
ない場合は、購入してください。
中古本で安く購入も可能です。

楽天市場「エンカウンターで学級が変わる 中学校編

レクリエーションエンカウンターの違い

体育館や室外でのビーチボールバレーといったレクリエーション、
室内レクリエーションの「ハンカチ落としゲーム」「震源地は誰だ」「フルーツバスケット」
楽しい時間を過ごすことができます。

でも、エンカウンターと大きく異なる点が一つあります。

上記のレクリエーションは夢中にはなるけど、
話を聞いてもらったことで、
嬉しい → 安心 という体験面が弱く、
今回のようなクラスの雰囲気の改善という点では、
期待したほどクラスの雰囲気や生徒の人間関係の改善にはつながらないです。

話を聞いてもらった、嬉しい → 安心感 という経験の場を
生徒に抵抗感なく用意するのが教師の仕事です。

その点で効果のあるのが、学級活動の時間でのエンカウンター授業です。   

徐々にエンカウンター体験を深めていくこともポイントです。

エンカウンターは「それぞれの気持ちを分かち合う」シェアリングを重要視しますが、学級の雰囲気が重い時は軽く流す、時にははぶくのも一つの方法です。

人間関係が重い時、私は、
エンカウンターのテキスト(参考資料)に書かれているワークシートを用いた振り返りシェアリングの行程
『そのときの気持ちを率直に語り合うこと「心と心のキャッチボール」』にこだわりませんでしした。

まずは、
気楽に時には無意識のうちに
ホンネを出し合い、
それを互いにちゃんと聞くという体験だけ積み重ねていっても大丈夫です。

エクササイズにもよりますが、
教師がエンカウンターの指導の仕方を熟読しておけば、
シェアリングの行程がなくても

話を聞いてもらった、→ 安心感
自分も相手の話に耳を傾けた 

という体験で

今の子どもの持つ課題
話を聞くという経験の不足
話を聞いてもらった、嬉しい 安心感 という経験の不足

の回復改善に迫っていけます。

次に紹介する4つのエクササイズは気楽に自分の意見を出しつつ、
人の意見考えも聞き、
また、③④はグループとしても一つの方向が示せるエクササイズです。

話を聞いてもらった安心感

エクササイズ①わたしはだあれ? part2

【ねらい・目的】

目あての職業や興味のある職業に関する知識をふくらませる。
同時に、
その職業を目あてにしている自分、
興味を持っている自分はどんな自分であるかを知る。
となっていますが、
私は、
単純に、
【クイズ、私はだあれ?】
としてエクササイズを行いました。

質問は、一人4回となっていますが、
6人グループなら一人1回とし、
一巡したところでどうしてももう一つ聞きたいことがある人は質問しても良いとしました。

エクササイズ「わたしはだあれ?」の目的や内容の参考資料はこちら
目的 
目当ての職業や興味ある職業に関する知識をふくらませる
同時にその職業を目当てにしている自分 興味を持っている自分はどんな自分であるかを知る 
内容 
職業は自分を表現する重要な要素であることを説明する 
将来、自分がつきたい職業とその職業の概要をプリントに記入する 
その職業名を画用紙に書く 
グループでお互いに質問をし合って 選択した職業が何であるかを当てる 
質問は 勤務場所、勤務時間、対人関係の有無、その職業の環境等に関わる質問とする
質問を受ける人は質問と自分の回答を書き留めておく 
また、気づいたこと考えたことを記入する 
グループ全員が終了したら考えつかなかったような特に考えさせられたような質問について、シェアリングを行う 
アレンジの仕方 
テーマを個人に関することなどに変えるとリレーション作りに活用できる

エクササイズ「わたしはだあれ?」の目的や内容の参考資料

前日の帰りのショートホームルームで
いつもしているその日の振り返り反省など省き
明日のエクササイズの予告をかね、
私の中学時代の夢をクイズとして出しました。
「先生が中学生だった時、10年後についていたかった職業は何でしょうか」
答えは「パイロット」です。
この時は代表で班長に質問をしてもらいました。
その後、他に聞きたい人いる?と聞き、
手を挙げた数名に質問をしてもらいました。

教師:「先生がつきたかった職業がわかった人」
生徒数名:「はい」「はい」
数名を指名ました。
教師:「答え、正解は、明日の学級活動の最初に言います」
教師:
「みんなも『10年後についていたい職業を、夢であってもいいから考えてくること。また、質問に答えられるように心づもりをしてくること』これ宿題です」
と連絡しました。
ちょっと延長の帰りのショートホームルームとなりました。

【わたしはだあれ?】の指導例の参考資料はこちら
■指導例 私はだあれ?

教師の指示(●)と生徒の反応 行動 (☆)
◆将来, 自分がどんな職業に就くかということは, 自分の人生を設計するうえで非常に重要なことだと思います。 
また, 職業は自分を表現する手段でもあります。 
今日は, 自分がその職業に就いたとして、他の人からの質問で,その職業を説明してみてください。
今から渡すプリントに, 自分が将来就きたい職業と、その職業に関する情報を書いてください。 
例えば, 資格が必要か必要でないか, 給料はいくらくらいもらえるか, 勤務時間は何時から何時とか, 
人と接する職業か物を作る職業か, 休日はいつかなど考えられることをできるだけ書いてください。
まず,自分が選んだ職業を画用紙に大きく書いて, 机の上に伏せて置いてください。
次に, グループで,質問を受ける人の順番を決めてください。
質問をする人は1回に1つの質問をします。 それぞれの人が4回質問したところで,その人の職業は何かを当ててください。
質問を受けている人は,一つ一つの質問を,自分の回答とともにワークシートに書き留めておいてください。
人は一人で生きているのではなく、 だれかに助けられながら生活をしています。 
世の中のいろいろな職業の人が助け合って暮らしています。 
ですから,質問をするときは,相手に感謝する気持ちをもって質問をしてください。
●自分が考えた回答にない質問をされることがあると思います。 
このときは自分が実際にその職業に就いているものと想定して 回答してください。 
たとえ回答が, 実際の場合と異なっていてもかまいません。 あなたが思っていることを答えてください。
回答者一人に対する質問時間は5分間とします。
●すべての人が終わったら, 書き留めておいた, ワークシートを見て, 自分が思いもしなかった質問について話し合ってください。
また,質問をした人でも、この質問に対する答えがよかったとか,もう少し説明してほしかったといったことも話し合ってください。
グループ内でシェアリングが終わったら, クラス全体に, 教えてあげたいことを, グループごとに発表してください。
今日行ったエクササイズには2つのことが含まれていました。 
1つは, 回答を通して実は自分を表現していたということ もう1つは, 友達からの質問によって, 
自分の考えもしなかったことに気がつくということです。 
友達から質問されて自分の知らなかった部分もわかってきたと思います。 
自分だけで考えるのではなく,人と一緒に考えることは自分の考えを整理することにもなります。
お互いに助け合いながら自分の進路を考えていってください。
留意点
●職業を通して自分を知ことの説明を行う。
●職業の内容について,具体的項目から抽象的項目(例えば社会的貢献度等)へと変化するように指導したい。
画用紙に職業名を書くとき,自己主張するように,できるだけ大きく書くようにする。
14回の質問は直接職業名がわかるような質問はさける。
◆質問はできるだけ簡潔に行うように指示する。
互いの発言を受け入れる雰囲気が生まれるとよい。

エクササイズ【わたしはだあれ?】の指導例の参考資料

生徒が質問する場面は、
重要な指導ポイントです。
教師はクラス内のグループの様子を注意深く観察し、
アドバイスが必要な生徒へ助言をします。
そのため緊張感をもってグループ間を回ります。
アドバイスの仕方は下の写真の「B」を参考にします。

生徒の様子と教師の対応の参考資料はこちら
生徒の様子と教師の対応 
職業をカードに書かせる場面 
生徒 
職業と言っても何を書いたらいいかわからない
教師 
身近な人の職業を考えてもいいんだよ 
例えば お父さんの仕事とかお母さんの仕事でもいいよ 
小さい時にあんな仕事をしたいとかこんな仕事をしたいとか思ったことはないかな
質問をする場面 
生徒
何を質問していいかわからない
教師
自分が選んだ職業から考えたらどうだろう
実際の職業から考えたらどうだろう 
生徒 
そんな質問してもわからないや 
教師 
(質問した生徒に)君だったらその質問にどう答えるかな 
(質問した生徒に)職業選択をする時に君はその点に重きを置く? 
(答える生徒に)質問の意味が分からないのかい それとも答えられるほどの情報を持っていないからかな
気づいたことを話し合う場面 
生徒 
グループ内の発言が活発な時
よく相手のことを考えているね いろんな見方ができているよね 
生徒
グループ内の話し合いが進まない 
教師 
友達から自分の職業を当てられた時どんな気持ちになったの 
生徒 
質問にはほとんど答えられなかった生徒に
教師 
どんな気持ちになった 
くるしかった? 
答えられなかった自分はどう思う? 
よく考えていた友達を見てどう思ったの?

エクササイズ「わたしはだあれ?」生徒の様子と教師の対応の参考資料

簡単にメモを残せればいいので、
質問されたこと、答えたこと 2つの枠作ったワークシートとしました。

【わたしはだあれ?】のワークシートの参考資料はこちら
私の職業

質問されたこと
答えたこと
質問されて感心したこと考えたこと

エクササイズ【わたしはだあれ?】のワークシートの参考資料

授業の締めくくりですが、
教師がグループ間を回っていて、なるほどなという質問と回答があったものを紹介して、
「ほかに、先生が気がつかなかったけど、自分のグループでは、こんななるほどなと言う質問と回答があったグループある?」
あれば、発表してもらうし、なければ、
もう一つ二つ教師がなるほどなという質問と回答を紹介して終わりました。 

エクササイズ②校庭の生物 part3

【ねらい・目的】

校庭の小動物に目を向け、限られた自然での中でも「食物連鎖」によってつながりを持って生きていることを知る。生活の場も自然の一部であることに気づき、身近な自然と積極的に関わろうとする心情を育てる。
ですが、
単純に
【生き物ひとつ、植物ひとつ、そのつながりは?】
として
気楽に自分の意見や考えを出し、交流するようにしました。

エクササイズ「校庭の生物」のねらいや内容の参考資料はこちら
ねらい 
校庭の小動物に目を向け限られた自然の中でも「食物連鎖」によってつながりを持って生きていることを知る 
生活の場も自然の一部であることに気づき 身近な自然と積極的に関わろうとする心情を育てる 
準備 
大きめの付箋を1人に数枚 
振り返りシート 
内容 
校庭にいる生物を思いつくだけ付箋に書き出す 
5~6人班を作る 
各自の付箋を持ち寄ってその中から班ごとにキー生物を決める
大きな紙にキー生物の付箋を中心にはり、他の植物の付箋を周りに並べて 食物連鎖の様子などを書き込んでいく 
必要に応じて付箋は書き足す 
校庭以外の生物も考えて良い
班ごとにできたものを発表 
各自で感想を振り返りシートに書く 
感想を紹介した後 生物の多様性などについて振り返る 
アレンジの仕方 
発展として 次時間に生物との共生を考えた理想の校庭を班ごとに話し合うのも良い

エクササイズ「校庭の生物」のねらいや内容の参考資料

①同様に前日の帰りのショートホームルームで
いつもしているその日の振り返りなど省き
明日のエクササイズの予告をします。
教師: 「野生の植物一つ、動物一つを明日渡す紙に書けるように考えてきなさい」
教師: 「それと、その植物と動物にはどんなつながりがある?って聞かれたら、答えられるようにしておいてね。」
教師: 「例えば、バッタとキャベツ」
生徒: 「先生!キャベツは野生の植物ではないです」
教師: 「するどいね、よく話をきいていました!えらい!。
バッタとクローバーです!」
生徒: 「どんなつながりですか?」
教師: 「クローバーはバッタに食べられる」
生徒: 「本当ですか?」
教師:  「調べてきてみて」
この時は、時間ピッタリの帰りのショートホームルームとなりました。

【校庭の生物】の指導例の参考資料はこちら
 ■指導例 校庭の生物
教師の指示と生徒の反応 行動 (☆)
●早く書けた人は,その生物が何を食べ、何に食べられるのかを、
空いているところに書き入れておきましょう。
●今日は, 校庭の生物やそのつながりについて考えたいと思います。
◆部活や体育で利用している校庭にも, いろいろな生物が生きています。 
まず, 植物でも動物でも, 校庭にいる生物の名前を付せんに書き出してみましょう。 付せんを配布。
まとめ
●各自の準備ができたところで, 班ごとに生物のつながりを考えていきたいと思います。 座席を班の形に変えてください。
まず, お互いの書いたものを見せ合ってみましょう。
☆班ごとに分かれ、 自分の書いたものを見せ合う。
●班ごとに 「キー生物」 を決めてください。 つながりを考えるときの中心にする生物です。 多くの人があげているものがいいですね。
一発表用紙を班に1枚配布。 ☆キー生物を選ぶ。 
●キー生物の付せんを発表用紙の中心に貼ってください。 
これから,生物同士の関係を考えていきます。 
キー生物の周りに残りの付せんを貼り, 線で結んで関係を書き入れていきましょう。 
初めは,例えば猫とネズミのように, 食べる食べられるという関係をみていってください。 
無理に全部をつなげる必要はありません。 ほかにも, 鳥は木にとまって羽を休めるという具合に, 
いろいろな関係がありそうです。 気づいたものを書き入れていってください。
●途中で新しい生物に気づいたら, 付せんをたしてもかまいません。
時間は15分です。 後で班ごとに発表してもらいます。
☆何本も線が引ける生物, なかなか関係のみえない生物がある。
☆校庭の木にいる毛虫を, ときどき顔を見せる鳥が餌にするなど, 
校庭に住んでいない生物が校庭の生物とつながっていたことにも気づき, 付せんを追加し始める。
それでは, 作業をやめてください。 発表に移りたいと思います。
班で代表を決めて、 「何をキー生物にしたか」 「どんな生物とどんな関係にあるのか」 を発表していってください。
●各班の発表はどうでしたか。 いろいろな生物が,いろいろとかかわり合って生活していることがみえてきたかと思います。
今日の活動を通して感じたことなどを, 振り返りシートに記入しながら考えてみましょう。 書き終わったら集めます。
では,いくつかを紹介してみましょう。 何枚かを読みあげる。
ふだんなにげなく利用している校庭にも, 多くの生物が互いにつながりをもって生きています。 
今日は,グループの人たちと意見を出し合うことで, 自分が気づかずにいた生物のつながりに目を向けることができました。 
校庭も1つの自然です。 私たちを含めていろいろな生物が関係をもちながら生きていることを考え,これから校庭を利用していけたらと思います。
留意点
●アリなど例をあげるとわかりやすい。
●付せんに,その生物が何を食べ、何に食べられるかを記入しておくとよい。
5~6人の班に分かれる。
●キー生物は, アリダンゴムシ, ミミズ,バッタなど, 特殊でないものがよい。
●キー生物に迷っていたら、教師が一緒に選んでもよい。
●すべての食物連鎖がつかめなくてもよい。
●付せんを追加することはよいことだと評価していくと, より多くの生物がみえてくる。
●聞いていた生徒から、発見できなかったつながりを補うのもよい。
●発表のよさを評価しながら, 進めていく。
●お互いの発見を認め合い, 視野の広がりを確認したい。
●発展として「理想の校「庭」のプランニングができたら, 未来へつなぐ授業となる。

エクササイズ【校庭の生物】の指導例の参考資料

わからない、調べてこなかった生徒もいますので、
理科の資料集をグループ分用意しておきました。
複数の生徒が書いてきた生き物をキー生物とし、
模造紙の中心に貼ります。
何といっても、
理科の授業でもテストでもないですから。
気楽に紙に書き、
思い思いに矢印をひき、
つながりを書いたらいいです。

グループごとに発表をするとき、
つながりで質問したいこと疑問に思うことは後で交流するので、
発表を聞きている時はグループごとにその確認のための相談はしてよいとしました。

生徒の様子と教師の対応の参考資料はこちら
生徒の様子と教師の対応
A 生物名を付せんに書く場面
生徒 
えーつ, わからない。何もいないよ。
教師 
校庭をちょっと見てごらん。 植物でもいいんだよ。
ワンポイント
校庭も自然であり,いろんな生物がつながりをもって生きている。
意見を出し合い, 世界が広がったことに気づかせる。
生徒
動物が見つからない。
教師
あの木の陰には何かいないかなあ。 石の下には何かいないかなあ。
生徒
名前がわからない。
教師
どんな生物か, 特徴や絵を描いておくと後で友達に教えてもらえるかもしれないよ。
たとえ名前がわからなくても, つながりを考えていくんだから, 気にしなくていいよ。
B キー生物を決める場面
生徒
どれにしていいかわからない。
教師 
みんなが共通してあげている動物はないかなあ。 どこにでもいそうな, 餌がわかりやすいものが考えやすいよ。
C 班で作業をする場面
生徒 
よくわかんないよ。
教師
その動物の一般的な餌をあげ、校庭の中で餌にできそうなものを考えさせる。
生徒 
新たに生物カードを追加している。
教師 
みんなで考えたら,いままで気づかなかった生物にも目を向けられたね。
D 班ごとに発表する場面
生徒 
(ほかの班の発表を聞いて)そのほかにも、線で結べる生物があるよ。
教師それを教えてください。 ○班の発表がもっと豊かになりますね。
■前後のつなぎ
・理科で動物・植物を学習した後に行うとよい。
・この活動の後, 「理想の校庭」 を考えたり,地域の生物のつながりを考えたり, 生物同士のつながりへと発展させて考えたい。

エクササイズ【校庭の生物】生徒の様子と教師の対応の参考資料

この資料の指導内容に沿ったエンカウンターの授業なら、
以下のワークシートが必要ですが、
今回のような気軽に意見を出し合うことを目的とした場合は、
使用しなくていいと考え、
また、アイスブレイクに時間を使ったこともあるので、
準備しませんでした。

【校庭の生物】の振り返りシートの参考資料はこちら
「校庭の生物」 振り返りシート
 年 組  班
氏名
1 今日の授業で,自分から考えることができましたか。 番号に○をつけてください。
積極的に考えた 5ー 4ー 3ー 2ー 1 考えられなかった
2 班の話し合いの中で, よい意見を出したのはだれですか。 どう感じましたか。
だれの意見
どんな意見ですか
あなたはどう感じましたか
3 他の班の発表の中で,いいなと感じたのはどんなところですか。
何班の意見
どんな意見ですか
4 今日の授業をやってみてどう感じましたか。
あなたはどう感じましたか

エクササイズ【校庭の生物】の振り返りシートの参考資料

授業の締めくくりですが、
①と同様に、教師がグループ間を回っていて、なるほどなという植物と動物のつながりが書かれたものを紹介して、
「ほかに、先生が気がつかなかったけど、自分のグループでは、こんななるほどなというつながりが書けていたグループある?」
あれば、発表してもらいます。
もし、なければ、
もう一つ二つ教師がなるほどなというつながりを紹介して終わりました。

エクササイズ③月世界 part1

【ねらい・目的】

個人の決定から全員の合意によるグループ決定を通して、グループが意思決定をしていくときに生じる様々なことに気づく。
ですが、
単純に
【サバイバル 月面にて】
としてエクササイズを行いました。

気楽に意見考えを出し合う、
人の意見を考えを聞く、
グループとして意見を考えをまとめるエクササイズにしました。

下の資料の内容に
「グループでの順位決めにおいて安易な妥協はしない」と書かれていますが、
安易な妥協があっていいです。
グループ間を回っている時、
和やかに安易な妥協をしていたら
「それもありだね」って
その後の話し合いが和やかに進ようにしました。

ただ、
「最後にクラス内で交流をし、他の班からの質問に答えてもらうので、一応の根拠が話せないと班長が困るので、その根拠は考えてね。」
と指示しました。

エクササイズ「月世界」の目的や内容の参考資料はこちら
目的
個人の決定から全員の合意によるグループ決定を通して、グループが意思決定をしていく時に生じる様々なことに気づく
準備 
課題・状況説明ぷりんととグループ集計用紙 
内容 
部屋を暗くして SF映画の音楽を流しながら自分は宇宙船の乗務員で、母線から100km 離れた月面に不時着したと状況の概略を説明する
課題・ 状況説明プリントを熟読し「幸い10種類の機械や道具なども無事だった 母船まで歩いて行くのに大切なもの の順番を決める」ことを個人で行い、用紙に記入する
ルールを確認してグループとしての順位を話し合う
①納得できるまで話し合い安易な妥協はしない
②話し合いは勝ち負けではない 
③多数決や平均値は用いない 
④少数意見にも十分に耳を傾ける 
決定したグループの順位を全体に発表する
このエクササイズを通して気づいたこと感じたこと学んだことをシェアリングする
アレンジの仕方 
課題の内容を変える

エクササイズ「月世界」の目的や内容の参考資料

残り20分になったら、
黒板に貼っておいて模造紙に各グループの順位を書き込んでもらいました。
「5分間ですが、他のグループの順位について2つ質問したいことをグループで相談してください。」
と指示しました。
5分後に教師の司会進行で質疑応答をするようにしました。

【月世界】の指導例の参考資料はこちら
月世界・指導例

教師の指示(●) と子どもの反応・行動 (☆)
今日のエクササイズのタイトルは 「月世界 (月からの脱出)」 です。
このエクササイズは, みなさん一人一人の考えを大切にしながら,できるかぎりグループのみんなが納得のいく方法で,
グループとしての合意意志決定をつくり上げていくという内容です。
タイトルを板書する。
●それではこれから, みんながおかれた状況を説明してあるプリントを配布します。 
想像力をはたからせて, その状況の中に自分自身をおくために, まわりの人と話をしないで黙読してください。
☆ふだんとは違った雰囲気で,配られたプリントを黙読する。
プリントを読んで, 次に自分が何をすればよいか, わかった人は手をあげてください。
☆ほとんどの生徒が手をあげる。
母船にたどり着くために必要性の高いものはどれか, 理由も考えながら個人の順位づけを行ってください。 
まわりの人と相談しないで自分一人で考えてみましょう。
だいたいの人が順位づけができたようですが,もう少し時間のほしい人いますか (いた場合はあと1分だけ待つ)。
さっきは個人で重要なものから順位をつけましたが, 今度はその個人の順位づけ・考えをグループ内で発表し合い, 
一人一人の結果を今から配る「グループ集計用紙」 に全員が記入してください。
●発表をする人は, 順位だけで, 理由の説明はあとのグループでの話し合いのときにしてください。
☆グループの中で順番に一人ずつ発表し, 「グループ集計用紙」に記入する。
それでは, 集計用紙に書かれたそれぞれの人の順位をもとにしてグループで自由に話し合って,
「グループとしての順位」を決めてください。
ただし, 次の点に注意して 「グループとしての順位」を決めてください。 
① 納得できるまで話し合い, 安易な妥協はしない。 
②話し合いは勝ち負けではない。 
③ 多数決や平均値は用いない。 
④少数意見にも十分に耳をかたむける。
☆グループでワイワイガヤガヤと話し合いながら, 「グループとしての順位」を決めていく。
●なかなか決まらなかったところもあったようですが, それぞれの「グループとしての順位」 を発表してください。 一板書する。
今日のエクササイズを通して, 気づいたこと, 感じたこと, 学んだことをグループごとに自由に出し合ってください。
●どんなことが出ましたか。 みんなに発表してください。
●今日は,グループで何かを話し合って決める, 合意することのむずかしさやその過程の大切さを, 
体験的に学んでほしいという思いで行いました。 指示に従ってくれてありがとう。

留意点
エクササイズの内容を簡潔に説明する。
宇宙のイメージや雰囲気をつくるために暗幕で部屋を暗くしたり, SF映画(スターウォーズなどの音楽を流す。
手をあげなかった生徒がいた場合は, グループの中で教え合いで確認させる。
生徒同士が相談して順位づけをしないようにする。
黒板に拡大した 「グループ集計用紙」をはってわかりやすく説明する。
グループ内での発表の方法や順番は生徒に考えさせる。
・グループとしての順位をつけるときの留意点 (ルール)を書いた紙を, 黒板にはって説明する。
巡回しながら, グループのメンバー全員が話し合いに参加するように促す。
・順位づけがうまくできなくても,その過程を大切にさせる。
発表者への注目と,拍手を忘れずに。
・生徒への感謝を。

エクササイズ【月世界】の指導例の参考資料

マッチやナイロンのロープといった月面でどう使うか、
突っ込みができる品物もありますので、
課題となる順位決めにおいて
その品物の活用方法に
グループの意見、知恵、時には思わぬ工夫法に意見が集中したところもありました。
それもグループの個性ですから、最後のまとめで紹介させました。

【月世界】のワークシートの参考資料はこちら
月世界(月からの脱出)ワークシート 
あなた方は宇宙船の乗務員です 
地球に帰還するための計画では迎えに来るロケットと月面上でドッキングすることになっていました
ところがあなた方の宇宙船は機械の故障で着陸予定地点(母船とドッキングする地点)から約100km離れたところに不時着してしまいました
生きて地球に帰るためには残された道は母船までたどり着くしかないのです 
幸運なことに 宇宙船では10種類の機械や道具備品が破損を免れて無事でした 
乗務員全員が月面上を母船まで行くのに必要なものを大切なものから順に番号をつけて選ばなくてはなりません 
さあ、あなたならどうしますか 
最も必要と考えられるものを 1 とし 
その次に必要なものを 2 ,以下34…10という具合に全部に順位をつけてください 
品物
 マッチ
 食料(宇宙食)
 ナイロンのテープ
 ピストル
 45kgの酸素入りボンベ
 月から見た星図
 救命ボート
 20リットルの水
 救急箱
 太陽光で作動する無線機

エクササイズ【月世界】のワークシートの参考資料

授業の締めくくり

本来は、マッチやナイロンのロープの使い方に関し、ユニークな使い方を相談していたグループの紹介をするつもりでした。
しかし、他のグループの順位のつけ方に関しての質問とその回答で盛りあがりました。
そこで、
「目からうろこ賞をあげるとしたら、どのグループのどんな品物の順位ですか。2分で、決めましょう。」と指示し、
その、各グループの発表で終わりました。

生徒に安心感という体験場を用意するのが教師の仕事

エクササイズ④宝さがし part3

【ねらい・目的】

課題解決の過程における、自分や相手の言動・感情を察知する。
またヒントの出しあいを介して、クラスメイトへの好意の念を育てる。

このエクササイズに関しては、
下の「アレンジのしかた」の通り、
グループの人数に応じてヒントカードを準備し、
この「内容」とおりに行いました。

エクササイズ「宝さがし」のねらいや内容の参考資料はこちら
ねらい
課題解決の過程における、自分や相手の言動・感情を察知する。
またヒントの出しあいを介して、クラスメイトへの好意の念を育てる。
準備 
マジック 3色 
ヒントカード 1から6 
模造紙をグループ分 
内容 
6人組を作り、ある課題解決のためのヒントを出し合う
課題を配り、ルールを説明する
①各自に渡された異なるヒントカードを元に宝島の地図を作る
②ヒントカードは読み上げても良いが、見せ合ったりそのまま書き写してはいけない
③ヒントカードの中にある質問に最後に答える 
25分間で作業に取り組む 
班ごとに結果を発表する 
感想を話し合う 
アレンジの仕方 
行事の前などで 協調性 団結力を高めたい時にも実施できる 
各ヒントカードの最後の項目を切り取って集め、7人用に
またカード6の情報を切り離し、各カードに付け加え、5人用にも変更可能

エクササイズ「宝さがし」のねらいや内容の参考資料

多くのエクササイズは繰り返して行うことができますが、
このエクササイズに関しては、
過去にやったことがある場合、
使えないことがあります。
グループの中の1,2名程度が経験者なら実施可能です。
※複数学級で、前の学年の時に(クラス替えの前に)やっていたといった場合

前年のことをしっかり確認しておきましょう。

【宝さがし】の指導例の参考資料はこちら
指導例 宝さがし
インストラクション
●今日はこのグループで,ヒントを出し合いながらある課題を解決してもらいます。 
そのために必要なものをこれから配ります。
模造紙1枚, マジック1セットを各班に,またグループへの課題を各自に配布。
エクササイズ
では、いま配った課題を見てください。 ルールと方法を説明します。 
「いくつかの島からなる 『宝島』 の様子を, 絵や文字を使っ・・・(中略)」 課題を読み上げる。
これから配るヒントカードには1人ずつ違った内容が書いてあります。 
お互いにヒントを出し合って課題を解決してください。
ヒントカードは必要に応じて読み上げてもかまいませんが,他の人のヒントカードを見たり,
自分のヒントカードを渡したり見せたりすることはできません。 
また, ヒントをそのまま書き出して表にまとめないでください。 
絵や図, ポイントとなる言葉を書くことはかまいません。25分たったところで終了します。
次のことに注意してください。 
けっして競争ではありません。 正解・不正解が問題ではありません。
ヒントカードの中に質問があるので,後で答えてもらいます。
ヒントカードを配ります。 他の人に見せないでね。 ─配布。
●準備はいいですか? 制限時間は25分間です。 始めてください。
☆各自が,配られたヒントカードを黙読し始める。
☆ポイントとなりそうな情報をみんなに伝え始める。
「滝のある島, とあるけど, ほかにどんな島があるのかな?」
留意点
●6人1組のグループに分かれる。 5人の端数が出る場合は5人用のカードを準備しておく。
◆課題を一緒に読みながら、雰囲気を盛り上げる。
ルールを板書。
●注意事項を板書。
① 競争ではない。
②正解・不正解は関係ない。
●読めそうもない漢字には,ふりがなをふっておく。
「ぼくのには,○○島のヒントが書いてあるよ」
「私のには, △△島」 「ということは全部で島は5つだね」
☆模造紙に,ポイントを書き始める。
文字ばかりの班には,☆全体像が完成した班は,お互いのヒントを確認し合う。
☆時間があれば,よりきれいに絵を仕上げる。
●25分たちましたので,まだ途中の班もここまでとします。
●正解はわかりましたか?正解のプリントを配る。
これから振り返りをします。 一緒になった友達に対して,どのような印象をもったか語ってください。 
例えば 「Aさんはヒントを小出しにして, 私たちに伝わっているかどうか確かめながら話していて上手だと思いました」というぐあいです。
●振り返り用紙に記入し,今日の宝さがしの作業を通してお互いに気づいたことや感じたこと、 考えたことを話し合ってください。
一振り返り用紙を配布。
●何人かの人に気づいたことや感じたことなど発表してもらいます。
絵も描くよう指示。
●机間巡視し,だれか一人でも欠ければ完成できないことに気づいた人に,発表してもらう。
シェアリング
まとめ
1人が欠けても作業の進まない課題を経験して,いろいろなこと
に気づいたと思います。 今日学んだことは, これから取り組む行事を成功させるのに欠かせないことです。

エクササイズ【宝さがし】の指導例の参考資料

ヒントカードを口頭で伝えあう場面はこのエクササイズでのルールのポイントの一つです。
下の資料を参考に教師の対応を考えておきます。

未完成のグループがあった場合の対応も、
下の資料から教師の対応を確認しておきましょう。

生徒の様子と教師の対応の参考資料はこちら
生徒の様子と教師の対応
A 内容を知らせる場面 
生徒
グループへの課題とかヒントカードとかわけわからないよ
教師
グループへの課題は今全員に配られたもので内容も全部同じですがヒントカードはこれから配られるもので一人一人内容は違うものです

B カードの内容を伝え合う場面 
生徒 
何をどう伝えていいかわからなくて無言
教師 
見守る(情報保持者にグループのメンバーがその生徒に声をかけるのを待つことも必要)
生徒
(どうしても進められず 無言)
教師 
君のヒントカードにはどんな島のことが書いてあるの
仕上げるために必要なヒントをお互いに聞き出さないと情報不足でしょう 
自分の手元にあるヒントを交換してみようよ 

C 地図にポイントを書き込む場面 
生徒
絵が下手だから 
教師 
そうか苦手なんだね いろんな表現があっていいんだよ 

シェアリングの場面 
生徒 
うちの班だけ他の反応へと違っていたよ 
教師 
正解 不正解が問題じゃないからね 
生徒 
もう一度このメンバーでチャレンジしてみたいね 
生徒 
すごく早く完成したんだよ 
教師 
誰のどんな言葉がきっかけだったのかな

エクササイズ【宝さがし】生徒の様子と教師の対応の参考資料

ルールに関して、
他の人のカードを見る
自分のカードを見せる
情報を書き出して表にまとめる
は禁止行為ですが、
禁止を強調するのではなく
この3つのことをしてしまうと答えが出ても、面白くなくなるよといった和やかな指示、説明をしました。

【宝さがし】の生徒配布ルール注意事項の参考資料はこちら
グループへの課題
いくつかの島からなる『宝島』の様子を絵や文字を使って模造紙に書き 入れなさい。
宝島の内容は 6枚のヒントカードに書かれています。一人に一枚ずつ分けて配るので、グループで力を合わせて地図を完成してください。
ルール
・ヒントカードの内容は言葉だけで伝え合ってください
・必要に応じて ヒントカードの文章をそのまま読み上げても構いません
・絵(図)を書いたり、ポイントとなる言葉をメモしたりすることは構いません
・以下のことはしないでください
他の人のカードを見る
自分のカードを見せる
情報を書き出して表にまとめる
注意事項
・決して競争ではありません
・正解 不正解 が問題ではありません
・ヒントカードの中には質問があり 後で答えてもらいます

エクササイズ【宝さがし】の生徒配布ルール注意事項の参考資料

アレンジのしかたに書かれているように、
グループの人数に応じてヒントカードを作りかえます。

【宝さがし】の生徒配布ヒントカードの参考資料はこちら
ヒントカード ①
(6人班用)
・「滝のある島」 の南には, 「きりにつつまれた島」 があります。
・「洞窟のある島」の北東には, サクランボの木のある島があります。
・猿は、ミカンの木に登って遊んでいます。
・ウメの木のある島は,その島全体がウメの木でおおわれ、島の中心に赤い箱が隠されています。
・リンゴの木には, よくヒヨドリがとまっています。
ヒントカード②
(6人班用)
・サクランボの木のある島には, 野犬がいます。
・赤い箱の中には「の」 という文字が入っています。
・ 「虹の見える島」 の西の方角には,モモの木のある島があります。
・リンゴの木から南に5歩の所に白い箱が隠されている島のリンゴは, 秋になるとたくさんの実がなります。
・ 「洞窟のある島」 には, 夜になるとときどきタヌキが現れます。
ヒントカード ③
(6人班用)
・「きりにつつまれた島」 の南の方角には,「洞窟のある島」 があります。
・宝島と呼ばれる所には, モモの木のある「宝島」 を中心に, 半径10km以内の範囲で,東西南北に4つの 「宝島」 があります。
・夜になるとときどきタヌキが現れる島の北西には、ミカンの木のある島が望めます。
・東の方角にある島には, 黄色い箱が隠されています。
・春になると, ウメの木の枝にとまり, ウグイスがみごとな声でさえずります。
ヒントカード④
(6人班用)
・モモの木の周辺では,いつもネコがじゃれあっています。
・「白い砂浜のある島」 の北東の方角には,「滝の「ある島」 があります。
・宝箱はどの島の何色の箱でしょう。またそれは,島のどこにあるのでしょうか?
ミカンの木のある島の北東の方角にある島は,白い箱が隠されていて, 「真」 という文字が入っています。
サクランボの木のある島の南西の方角には,「洞窟のある島」 があります。
ヒントカード ⑤
(6人班用)
・リンゴの木のある島に住む熊は, 見かけによらずやさしい性格です。
・「白い砂浜のある島」 には, 海岸線の日の出の方角に青い箱が隠されていて,その中には「木」 という文字が入っています。
・「滝のある島」 の南東の方角には, みごとなサクランボの木が見えます。
・モモの木のある島には, 春になるとはるか南の方から風に乗って, ウメの香りが届けられます。
・それぞれの宝島には, 箱が隠されていて, その中には宝箱の場所を示すための情報が書かれた文字が入っています。 その文字を並べ替えると宝箱の場所がわかります。
ヒントカード ⑥
(6人班用)
・ウメの木のある島のタヌキはお腹がまん丸で,あいきょうがあります。
・ネコのいる島には、いつもネコがじゃれあっている場所に,緑の箱が隠されていて、その中には「下」 という文字が入っています。
・宝の島々では,それぞれ異なった実のなる木がはえています。
・隠されている場所の情報のない箱が, ズバリ宝箱です。
・「きりにつつまれた島」 の東の方角には,黄色い箱が隠された島があります。

エクササイズ【宝さがし】の生徒配布ヒントカードの参考資料

その時のクラスの雰囲気、状況に応じて、
振り返りの項目は調整をします。
クラスの雰囲気がかなり重い時は、

振り返り用紙の8項目の中の
2 自分のヒントや意見を、相手はよく聞いてくれましたか を
よく聞いてもらった時、どんな気持ちでしたか?
または、聞いてもらえなかった時はどんな気持ちでしたか?
と修正しました。

5 友達の新しい面が発見できましたか?
  それはどんなところでしたか?

6 自分の今まで気づかなかった面を発見できましたか?

この3項目だけを振り返り(シェアリング)しました。

【宝さがし】の振り返り用紙の参考資料はこちら
振り返り用紙
年組()氏名
1. あなたは, 人のヒントに対してどのように耳を傾けましたか
(例: 話す人の目を見ながら聞いた。 話す人の方へ自分の体を向けた)
2. 自分のヒントや意見を, 相手はよく聞いてくれましたか。
(よく聞いてもらった人はどんな気持ちでしたか?)
(聞いてもらえなかった人はどんな気持ちでしたか?)
3. あなたが印象を伝えているとき, 相手の人はどんな感じでしたか。 具体
的に書きましょう。
4. 自分の印象を聞いているとき, あなたはどんな気持ちになりましたか。
具体的に書きましょう。
5. 友達の新しい面が発見できましたか。 (どんなところを発見しました
か?)
6. 自分のいままで気づかなかった面を発見できましたか。
(どんなところを発見しましたか?)
7. 今日の活動は,楽しかったですか?
①とても②つまらなかった③楽しかった
8. 今日のような活動をまたやりたいですか?
①やりたくない②またやりたい

エクササイズ【宝さがし】の振り返り用紙の参考資料

授業の締めくくり

正解が出せたか、ではなく、意見が出し合えていたグループの様子について感想を述べました。
また、あるグループ内では、A君の言葉が正解を見つけるきっかけとなっていましたから、
「〇グループさん、だれのどの言葉が、正解きっかけになったの?」と質問しました。
A君は、普段、縁の下の力持ち的な仕事を、クラスでよくしていてくれる生徒でした。

終わりに

シェアリングがエンカウンターのポイントではあるのですが、
クラスの雰囲気、生徒の人間関係の状況によっては、
シェアリングをあえて行わなかった場合も含め
紹介しました。
しかし、徐々にクラスの雰囲気、生徒の人間関係の状況に改善が見られました
シェアリング以外の部分で、シェアリングの要素を盛り込んでいたといえば、そういえると思います。

本書の中の「エンカウンターの活用法」
を熟読することが大事です。

生徒からは、体を動かすレクリエーションの要望も高いです。
時にはその要望に応じることもクラスの雰囲気改善につながります。

2つの視点は持っておいたら良いです。

単純に体を動かす1時間とするにしても、目的ねらいを明らかにする

生徒にとっては、単純に体を動かす学級活動の1時間があってもいいですが、教師としては、

レクリエーションをするにしても「アイスブレイクとしてのエクササイズ」で紹介したようなことを意識し、1年間の学級活動計画の中の1時間として、実施


エンカウンターはアレンジが容易

見出し「人間関係が重い時に使える構成的グループエンカウンター エクササイズ5選中学生編」で紹介したように、
学級の状態に応じ
かなり弾力的にアレンジが出来ます。
学級づくりの強いアイテムとして使えます。

エンカウンターはアレンジがしやすい