中学校教育計画の充実のために教務としてしたこと
教育計画の諸項目は
各教科、
道徳科、
外国語活動、
総合的な学習の時間、
特別活動(学級活動、学校行事)
です。
この諸項目を充実させるうえで、
基盤となることは(教務としてのポイントは)2つ。
- 「生徒がわかった!」となる授業スキルを高める校内研修計画作り
- 学校行事の質を高める環境条件作り
具体的には「授業がわかる」ことです。
確かに友人関係、部活動も大事な要素ですが、
中学校卒業時に自分の進路がしっかり定まっていることが
中学校3年間をふり返った時に、
いい中学校生活だった
すなわち「楽しい学校生活だった」と言えるからです。
授業には、「教科」「教科外」がありますが、どちらの内容の理解も生徒にとっては大事なことです。
また、文化祭、体育祭、職場体験などの諸行事もあります。
この記事では、そのようなことすべてを学校行事と称しています。
「生徒がわかった!」となる授業スキルを高める校内研修計画作り
「校内授業研究会」
研究テーマを決め校内の誰かが研究授業をするだけでなく、
講師を招き研修をするという方法もあります。
講師費用が発生しても効果が期待できるのなら、企画すべきです。
特に中学校は、教科の独自性(教科の壁)ということで授業研究が深められない場合があります。
こういう時、先進校の実践に学ぶことが多いです。
実践校への視察、また、実践校から講師を招くことは大変効果的です。
生徒の活動、特にグループに分かれた時の個々の発言、時にはつぶやきに焦点を当てた授業作りを講師を招いて研修しました。
例えば、社会科で
「埼玉県の人口は約734万人。
全国の人口に占める割合は約5.8%。
埼玉県の
里芋(全体の約13.1%)
ほうれん草(全体の約10.8%)
ネギ(全体の約11.9%)は
全国1位である。
なぜか?」
という中心発問で、
グループに分かれた時の個々の発言、時にはつぶやきを
詳細に記録した授業研究会を講師の指導のもと行いました。
中学校にありがちな教科の壁というものをこえて、
生徒の学びを相互に認識でき、
自分の授業に還元できるものでした。
学校行事の質を高める環境条件作り
中学生ともなるとより専門性をもった指導者からのレクチャーが、生徒の意欲を高めることが多々あります。
詳しくは記事
「ゲストティーチャー(外部講師)を活用した中学生のモチベーションアップに効果的な授業づくりと講師リストの作り方 教務経験者が教えます」
を参照してください。
体育祭の出し物のメインとなる演技発表準備にダンススクールの講師を
国語の授業(冬休みの課題書初めの指導)で、高校の書道の教師を
総合的な学習の時間の地域調べで、校区内を流れる河川について学ぶ場面で地方振興局の職員を
それぞれゲストティーチャー として招いた実践を紹介しています。
教務としての学校予算の把握と使い方
ゲストティーチャー、講師、先進校視察など、良い取り組みとわかっていても費用が必要となります。
- ポイントは学校予算の「学校管理(管理運営)費」の内訳と使い方
- 適正な予算執行のためには事務職員との連携が不可欠
いい授業をするには費用も必要という考えがあってしかるべきです。
特に教務として教育計画を充実させるという視点であるならば当然のことです。
また、予算は前年度に作られ、その枠内で年間を通して計画的に執行することが求められますから、事務職員と連携をとらないと執行はできません。
担任の時は
教材教具の購入、学校施設施設の充実維持運営 印刷(印刷関連)費といったものに目が向きやすいです。
また、あまり費用をかけずに学級経営をしようと考えたりもします。
まず、この部分の意識を変えることが教務として大切です。
大事な学校予算だからこそ、例年通りに執行する!ではなく、生徒にとり有意義な使い方を毎年提案したいものです。
ポイントは学校予算の「学校管理(管理運営)費」内訳と使い方
学校予算の内訳で、「学校管理(管理運営)費」のなかの
『報償費』『使用料』の使い方で学校教育活動はかなり変わることがあります。
「実践例(報償費)」
授業研究会
1年目 研究テーマを決め校内の誰かが研究授業をした
2年目 研究テーマをもとに先進校視察をした
3年目 研究テーマに沿って3回講師を招き、校内研修をした
しかも、視察の時だけしか視察先の教員、生徒の動きを見ることができません。
その点、講師を招くと打ち合わせを十分しておけば、
本校の実態、現状に合わせた適切な指導を受けることができました。
「実践例(使用料)」
教科の授業での使用料の使い方について、
例として以下を教員への提示をしました
(社会なら c が該当します)
a 教室で施設(古墳公園はにわ資料館)に関し、視聴覚教材の貸し出しを受け、学習
b 施設の担当者を講師として招き授業をする
c バスを用意し、施設に行き担当者から学ぶ
理科第2分野「天気とその変化」で、本校理科教師とコラボ授業を行いました。
講師料は発生しませんでした。
また、同じく理科第2分野「動物の仲間」解剖実習を隣接の高校へ行き、学習しました。
この場合、魚を解剖しましたので、魚の購入費用が、使用料となりました。
**新しい視点**(気づき)
「実践例(小中連携)」
このような実践をして行く中で、小中連携という部分にも焦点があてられるようになりました。
その一つが、体育科教師による小学校陸上指導です。
「走る」
単純ですが、走ることにも基本動作があります。
中学校1年の体育は陸上競技からスタートしますが、
走る基本動作に変な癖がついている生徒がいるということで、
小学校と連携を取ることがスタートしました。
適正な予算執行のためには事務職員との連携が不可欠
前年に作った予算では現状に沿わない時がでてきます。
その年の学校や生徒の現状に合わせます。
教師の要望にこたえることにもつながり
教師のやる気を引き出すことになり、
中学校教育計画の充実につながりました。
予算の有効な執行は事務職員も望んでいることで
趣旨がしっかりしていれば、
かなり面倒な依頼でも教育委員会と掛け合ってもらえました。
終わりに
事務職員との連携の前にまずすべきことがあります。
「学校事務だより(市町村の事務研究部会が作られていることが多い)」が年間何回か発行されているはずです。
まずは、1年分を読み返しましょう。
手元に無ければ、保存文書または、事務職員さんに借りたらいいです。
目を通すべきは、
「学校管理費、教育振興費」また「予算配当までの流れ」「補正予算」といったことが書かれているものです。
適正な予算執行ができるように、こまめに学校事務職員さんと連携を取りましょう。
そうすると、
教師の視点では気が付かなかったことや、
事務職員さんルートで入手できる事務職員さんならではの「中学校教育計画の充実」プラン、アイディアを聞かせてもらうことが期待できます。
なにより、マメな連携は「補正予算」の時に本当に親身になって、
協力してもらえることが一番のポイントです。