中学家庭「日常食の献立と食品の選び方」授業で使える体に良い野菜の選び方や知識4選 退職教員が10年の家庭菜園経験からアドバイス

中学家庭「日常食の献立と食品の選び方」授業で使える体に良い野菜の選び方や知識4選 教員歴35年のアドバイス

 

家庭科担当教師
家庭科担当教師

授業での「野菜の選び方と食品マーク」に関連して
詳しく知りたいことがあります。

先生
先生

「食育」分野は、生徒の将来の健康にも影響する大事なことですね。

家庭科担当教師
家庭科担当教師

添加物やアレルギーについては教科書に記載があるのですが、
野菜に使われる農薬に関しては「有機JASマーク」内の簡単な記載しかありません。

先生
先生

「有機JASマーク」は、表記だけさっと読むと農薬との関りでは勘違いしやすい内容ですね。

家庭科担当教師
家庭科担当教師
 
 
 
学校内に家庭菜園経験者もおらず、野菜と農薬の関係についても教材研究に困っています。

yoshi先生
yoshi先生
教員時代の技術栽培実習の経験や家庭菜園の経験から野菜の選び方をお教えします。

中学家庭「日常食の献立と食品の選び方」

教科書によって目次が異なりますが、
私が持っている教科書だと

「食品の選択と購入について考えよう」
「野菜の調理を工夫しよう」
「よりよい食生活を目指して」

という項目が該当します。

ただ、野菜の選択と購入に関して、
農薬との関りはあまり記載されていません。

そのあたりを考えていきます。

教科書目次

教科書によって目次内容は異なります。学習指導要領では「日常食の献立と食品の選び方」となっている部分です。

食品マーク「JAS」「有機JAS」の詳細と 農薬が教科書には詳しく記載されないわけ

日本農林規格により、
使える農薬の種類やその使用量が厳格に管理された野菜が店頭に並ぶので、

ことさら農薬に敏感になる必要はない

ということで、
特別、教科書には記載がないのだと思われます。

そのことを 食品マーク「JAS」「有機JAS」をもとに考えていきます。

有機JASマーク
「日本農林規格に基づき、農薬や化学肥料を使用せずに生産された有機農産物や有機農産加工食品などに付けられる」
と記載されています。

もう少し詳しく
有機農産物の日本農林規格を見てみると
以下のようになっています。

有機農産物は、次のいずれかに従い生産することとする。農業の自然循環機能の維持増進を図るため、化学的に合成された肥料及び農薬の使用を避けることを基本として、土壌の性質に由来する農地の生産力(きのこ類の生産にあっては農林産物に由来する生産力、スプラウト類の生産にあっては種子に由来する生産力を含む。)を発揮させるとともに、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した栽培管理方法を採用したほ場において生産すること。・・・・ 有機農産物の日本農林規格

実は、有機JAS(日本農林規格)では、
一部の農薬の使用が認められています。

教科書の記載に限らず、
有機JASマークがついていたら、
無農薬と勘違いしやすいですね。

有機JAS(日本農林規格)では、
その種類だけでなく使用に関して厳格に制限されています。

例えば、
認められた(非化学)農薬とは、

化学的に合成された農薬と比較すると即効性が低いものの、
残留物がないため環境への影響が少なく、
人や家畜に対する健康被害のリスクが低いもの

とされています。

あわせて、
JAS(日本農林規格)では、
農薬の使用について以下の項目で細かく規定されています。

  • 農薬安全使用基準
  • 表示事項の遵守
  • 農薬の飛散防止(ドリフト)対策
  • 農薬使用計画書の提出
  • 農薬による蜜蜂への影響について

上記のようなことから、

使える農薬の種類、
またその使用量が厳格に管理された野菜がスーパーなどに並んでいるので、
農薬に関して、
教科書には詳しい記載がない
のだと思われます。

しかし、野菜栽培と農薬との関係は知っておくにこしたことはありません。

家庭菜園を10年やってみたからわかる
体に良い野菜の選び方や知識4選を紹介します。

食品についているマークの解説

農林水産省も教科書もほぼ同じ記載ですね。

体に良い野菜の選び方や知識4選

食品マーク「JAS」「有機JAS」の理解ができたら、
体に良い野菜選びで、知っておきたいことは以下の4つです。

  1. 虫食い野菜、規格外野菜について
  2. 野菜によって農薬の量が異なる
  3. 買うところを選ぶ(虫食い野菜、規格外野菜)
  4. 旬の野菜を選ぶ(残留農薬も少ないはず)

野菜の種類により、
農薬の使い方が大きく変わります。
野菜の中には、農薬を必要としないものあります。

また、野菜は生き物ですから、
気温や湿度といった環境でも生育の状況が変わり、
農薬の使い方も大きく変わるからです。

補足として、

【野菜を洗うこと】

体の中に入る農薬を減らしたければ、調理前にしっかり水洗いをする、

家庭科の教科書に、
調理前に「洗う」は表面の汚れを取り除くためと書かれていますが、
残留農薬を減らすことにもつながります。

教科書「野菜を洗う」

汚れを落とすだけでなく残留農薬があれば、それを落とすことにもつながります。



野菜を洗っているところ

家庭菜園の無農薬の野菜なので、泥だけ落としています。



体に良い野菜の選び方や知識① 虫食い野菜、規格外野菜について

【体の中に入る農薬を減らしたければ、】
調理前にしっかり水洗いをするとともに
虫食い野菜、規格外野菜へ認識
を変える

虫食い野菜は、安心して食べられるし、うまい

これ、教科書に書いてないですね。
私はめったにスーパーで野菜を買うことはないんですが、
必要があって葉物野菜を買うとき・・・・

白菜・キャベツなど、
農薬散布をしないと虫に食いつくされてしまいやすい野菜が、
虫食いのないまま、きれいな状態で店頭に並んでいると
買うのをためらってしまうようになりました。

虫食いがないということは、虫も食わないということですから。

虫食いは見栄えは悪いけど千切りにしたり鍋の具材にすれば、全然大丈夫です。

我が家の白菜キャベツは虫食いは当たり前、
葉をめくっていると中から青虫が出てくることもあります。

家庭菜園10年の経験では、
白菜は一回だけ、農薬の散布無しで収穫出来た年があります。

白菜は育つけどアオムシがあまり活動しない気温が続いた、という条件の年でした。

毎年、その条件を意識して栽培していますが、
天気はこちらの思うようにはなりません。

キャベツに関しては農薬の散布無しで収穫出来た年は一度もありません。

スーパーでは買えない絶妙の虫食われ野菜

スーパーでは買えない絶妙の虫食われ野菜

小松菜も虫に食われやすいです。
でも、この年は小松菜が収穫時になってから、
気温が低い日が続き、
虫が活動しないため、
農薬を散布せずとも、
写真の程度の虫食いのまま
2週間ほど収穫を楽しめました。

虫に食われた小松菜

無農薬の小松菜、虫に食われていますが、調理すれば、問題なし

規格外でスーパーに並ぶことのない作物があります。
例えば、サツマイモの小さいもの。
でも、焼き芋にすると小さい方が格段うまかったりします。

規格外の小さいイモの方が意外と美味しかったり

大きいサツマイモの方が美味そうですが、規格外の小さいイモの方が意外と美味しかったりします。

 

体に良い野菜の選び方や知識② 野菜によって農薬の量が異なる

農薬を使わずに栽培できる野菜もある

我が家では
ネギ、サトイモ、ショウガ、サツマイモ、ミニトマト、ニラ、レタス、万願寺トウガラシ、ゴーヤ、枝豆、ニンジン、パセリ、春菊
は農薬いらずです。

サツマイモ、枝豆 以外は、虫食い(動物にかじられた跡)が無いのが普通です。

旬のほうれん草も。
一般に旬の野菜は農薬は少なくてすみます。
まあ、旬の野菜しか作っていませんが。

上記以外の野菜の農薬の使用量は、
天候に左右されます。
「①虫食い野菜、規格外野菜について」で書いたような感じです。

(作物によっては農薬はいらないけれど、小動物・虫にかじられてしまうこともあるので、
小動物・虫対策が必要な作物もあります。
サツマイモ、枝豆、ニンジン、パセリ)

パセリ、ニンジン、ミニトマト

無農薬で育てられますが、パセリ、ニンジンは秋口、アゲハチョウの幼虫に食い荒らされることはあります。

サニーレタスとにら

無農薬ですので、カタツムリがいたりします。特にサニーレタスの葉を食べている様子はないです。

ショウガ、サトイモは農薬いらず

ショウガ、サトイモは農薬いらず

キンカンも農薬いらずです

キンカンも農薬いらずです

サラダだったらマヨネーズかドレッシングをかけるのが当たり前なのかもしれないけれど、
家庭菜園をしていると、
蒸し野菜にし、
ちょっとだけ塩を振って、あるいはそのまま食べるのが一番美味しい!
と感じることがよくあります。

キノコ類も農薬いらず

キノコ類も農薬いらず

 

体に良い野菜の選び方や知識③ 買うところを選ぶ(虫食い野菜、規格外野菜)

教科書には書かれていないこととして、

買うというより
近所で家庭菜園をしている人と仲良くなる。

家庭菜園をしている人と仲良くなる、その方法(例)

たいていは、草引きをされていると思います。

わー、〇〇、大きくなっていますね!
(家で、〇〇をプランタで作ってみたことがあるなら)
私もプランタで作ったけど、またはプランタで作っているけど
なにかコツってありますか?
と、一緒に草引きをしながら、たずねる。
(〇〇どころかなにも作ったことがないなら)
こんなに大きく育つ、なにかコツがあるんですか?
と、一緒に草引きをしながら、たずねる。
ほぼ、たいしたコツはないよ、
と言ったありふれた返事ですが、
草引きしながら、話を聞けばいいです。
あとは、あなたの性に合ったおしゃべりをすればいいです。
草引きを手伝いながらね。

順調に野菜が大きくなり収穫できるようになると過剰にできてしまいます。
私ももらってくれる人をキープしています。
ただし、「あてにはしないでね」とは言っています。

個人の農家さんや野菜直販所など

後は、一般によく耳にすることです。
道の駅、野菜直販所、道路わきにテントや小屋を設置して売っている農家さんなど。

規格外野菜は売ってないけど、
スーパーなら「地産野菜コーナー」、
そのほかだと、
ちょっとお金がかかるけど、
通信販売で購入するケースもありますね。

野菜直販所

JAが管理、個人が管理、グループで管理といろいろなタイプの直販所があります。

野菜販売をしている道の駅

道の駅だと 品数、数量ともに豊富ですね。

 

体に良い野菜の選び方や知識④ 旬の野菜を選ぶ(残留農薬も少ないはず)

教科書にも「旬の野菜を食べようという」記載がありますが、そのとおりです。
旬の野菜は種をまけば、たいした手入れをせずとも収穫できます。

これは、農薬もあまり必要としないという意味にとることもできます。
夏場のキュウリは本当に安いです。
反対に冬でもキュウリを買うことができますが、
ビニールハウスで暖房をして作っていますから、
ビニールハウスの代金、暖房用の灯油代金がプラスされた金額になっています。 

1年中とれる野菜も季節によってビタミンなど含有量が異なることは国の調査機関により報告されていますね。

ゴーヤ、キュウリ、スーパーの梅

旬の野菜は手間いらずですが、天候によっては収穫の程度が変わります。

 

終わりに

自分で作ってみると手間、時間がかかることがわかり、
自分で作った野菜もそうだし買った野菜を食べるときにも
感謝しながら食べ、ごちそうさまと心から言えるようになりました。
農薬の量も少なくて済みます。
農薬が割と必要な野菜、農薬をさほど必要としない野菜などの知識もつきました。

収穫したものを食べると驚くほど美味いじゃないですか。
収穫のタイミングや鮮度による美味しさの差って、作物によっては強くあるんですね。

ネギも農薬いらずです

ネギも農薬いらず、奥に見える大根とカブは苗の時期にだけ殺虫剤をまきます

 

野菜を美味しく食べるために(鮮度と美味しさの関係)

【鮮度と美味しさの関係】

1,2ヶ月熟成すると美味くなる(要するに鮮度に関係なし)

カボチャ(1ヶ月)、サツマイモ(2ヶ月)、ジャガイモ、サトイモ
*ただ、ネズミなどにかじられたあとのあるイモはさっさと食べます

新鮮な方がいいけど神経質になるほどじゃない

カブ、大根、ショウガ、ニンジン、白菜、玉ねぎ

鮮度が関係する

キュウリ、甘長トウガラシ、なす、エンドウ、インゲンマメ、枝豆、レタス、オクラ、チンゲンサイ、小松菜、ネギ、春菊、キャベツ  など

メチャ鮮度が関係

トウモロコシ

鮮度と完熟が大いに関係

トマト、ピーマン

(大人の味)

(春菊、薬味としてのネギ)

ミニトマト、キュウリ、ゴーヤ、ヒマワリ